PCの入替・処分公開

法人PC入替のチェックリスト:ライセンス・BitLocker・資産台帳・データ移行で漏れやすいこと

PCの入替では、新しいPCの調達や初期設定に目が向きがちです。ところが、あとから問題になりやすいのは、ライセンスの扱い、管理ツールへの登録、BitLocker の回復キー、古いPCに残ったデータなど、古いPC側の作業です。

この記事では、情報システム・総務の担当者向けに、法人PCの入替で漏れやすいことを、計画から古いPCを社外に出すまでの順番で整理します。時期と担当の目安をつけたチェックリストも載せています。

結論:漏れやすいのは「古いPC側」の作業

入替で漏れやすいのは、ライセンスの解除、管理ツールからの登録解除、BitLocker 回復キーの扱い、資産台帳の更新、データ消去の記録の5つです。どれも新しいPCが動き始めたあとに残る作業なので、後回しになりがちです。

計画の段階で古いPCの行き先まで決め、1台ずつシリアル番号で追いかけると、漏れを防ぎやすくなります。

法人PC入替の手順とチェックリスト

入替の流れに沿って、やることと担当の目安をまとめました。担当は、会社の体制にあわせて読み替えてください。

法人PC入替のチェックリスト
時期やること担当の目安
計画台数・時期・予算を決め、調達方法(購入・リース)を選ぶ。古いPCの行き先も決めておく情報システム・総務・経理
発注まで資産台帳で対象のPCを洗い出し、シリアル番号・利用者・購入かリースかを確認する。ライセンスを棚卸しする情報システム・総務
新しいPCの到着後キッティング(初期設定、アプリの導入、管理ツールへの登録)を行う情報システム(外部への委託も可)
入替の直前古いPCの BitLocker 回復キーの保存場所を確認する。PC本体に保存しているデータを利用者に確認してもらう情報システム・利用者
入替の当日データを移行し、必要なデータがそろっているかを利用者に確認してもらう情報システム・利用者
入替後の保管期間古いPCでソフトのライセンス認証を解除し、Microsoft 365 からサインアウトする。データの移し忘れがないか確認する情報システム
古いPCを社外に出す前管理ツール(Intune・Autopilot など)から外す。データを消去し、1台ずつ記録を残す情報システム(消去は委託先)
完了後IT資産台帳と固定資産台帳を更新し、消去の記録と一緒に保管する情報システム・経理

古いPCは、すぐに初期化しない

入替の直後は、移し忘れたデータに気づくことがあります。古いPCはすぐに初期化せず、社内で決めた期間だけ保管してから、データ消去に回すと安心です。保管中も、台数と保管場所を台帳で管理します。

計画とライセンス:先に決めること、確認すること

台数・時期・予算・調達

  • 台数:対象のPCを資産台帳から洗い出します。Windows 10 のPCが残っている場合は、Windows 11 の要件を満たすかどうかもあわせて確認します(Windows 10のESU、2年目も払う?)。
  • 時期:年度予算、リースの満了日、繁忙期を避けられるかを考えて決めます。部署ごとに分けて入れ替えると、データ移行の負担を分散できます。
  • 予算:PC本体だけでなく、キッティング、データ移行、古いPCのデータ消去にかかる費用も見込んでおきます。
  • 調達:購入するか、リースにするかを決めます。新品のほか、整備済みPCを選ぶ方法もあります。

ライセンス

  • PCに最初から入っている Windows:プレインストールされた Windows のライセンスは、そのPCにひもづいています。Microsoft のライセンス条項でも、プレインストール版は、ライセンスを取得したPCと一緒にしか譲渡できないとされています。古いPCの Windows を新しいPCへ移して使うことはできないので、新しいPCのライセンスを確認しておきます。
  • Windows のサブスクリプション:Windows Enterprise E3 などは、PCではなく利用者ごとに契約するサブスクリプションです。利用者が増えたり減ったりする場合は、契約の数を見直します。
  • Microsoft 365:ライセンスはPCではなく利用者に割り当てます。Microsoft 365 Apps を含むプランでは、1人あたり5台までのPC・Macにインストールできるので、PCを替えるだけなら割り当て直しは通常いりません。退職や異動がある場合は、ライセンスを別の人に割り当て直せます。
  • 古いPCのサインアウト:保管中の古いPCがサインインしたままだと、会社のメールやファイルにアクセスできる状態が残ることがあります。Office からサインアウトしておきます。職場のアカウントなら、Microsoft 365 のアカウントページから、手元にないPCをサインアウトさせることもできます。
  • そのほかのソフト:会計ソフト、CADソフト、セキュリティソフトなどには、1台ごとにライセンス認証するものがあります。古いPCで認証を解除しないと、新しいPCで使えない場合があります。手順はソフトごとに違うので、各ソフトの案内を確認します。

ライセンスの条件は、契約ごとに確認を

ライセンスの扱いは、製品や購入の経路、契約によって異なります。判断に迷うものは、ライセンスの販売店やソフトのメーカーに確認してください。

管理ツールとBitLocker:外す順番と回復キーの扱い

Intune などの管理ツールや Windows Autopilot に登録しているPCは、社外に出す前に登録を外します。Microsoft は、修理や寿命などで組織を離れるPCは、必ず Autopilot から登録を解除するよう案内しています。

管理ツールから外す順番(Intune・Autopilot・Entra ID)

  1. Intune から削除する:Microsoft の手順では、Autopilot の登録を解除する前に、まず Intune からPCを削除します。削除する前に、シリアル番号を控えておきます。
  2. Autopilot の登録を解除する:控えたシリアル番号でPCを探し、登録を解除します。
  3. Entra ID のデバイスは慎重に扱う:Entra ID からデバイスを削除すると、そこに保存されている BitLocker の回復キーも消え、元に戻せません。削除する場合は、まず無効にして猶予期間をおき、回復キーがいらなくなったことを確かめてからにします。なお、Autopilot に登録していた Entra 参加のPCは、登録解除のあとに Entra ID から手動で削除しないよう、Microsoft は案内しています。

オンプレミスの Active Directory と連携しているPCは、手順が異なります。ウイルス対策ソフトや資産管理ツールなど、ほかの管理画面にも古いPCが残っていないか確認します。

BitLocker の回復キーは、いつまで残すか

BitLocker の回復キー(回復パスワード)は、Entra ID や Active Directory のほか、ファイルや印刷した紙で保存されていることもあります。入替の前に、古いPCの回復キーがどこにあるかを確認しておきます。

  • 残しておく期間:データの移行が終わり、古いPCのデータ消去を記録で確認できるまでは、回復キーを残しておきます。古いPCのドライブを別のPCにつないでデータを取り出すときなどに、回復キーを求められます。
  • 片づけてよいとき:消去の記録で、そのPCのデータが消えたことを確認できたら、回復キーは役目を終えます。ファイルや紙で保管している回復キーも、社内のルールに沿って片づけます。

暗号化しているから消去しなくてよい、ではない

BitLocker は、紛失・盗難や廃棄の際のデータ漏えい対策に役立つ機能です。ただ、暗号化されたデータはドライブに残っており、回復キーがあればすべてのデータを読み出せます。また、Windows の「デバイスの暗号化」は、ローカルアカウントだけで使っているPCでは、暗号化されていてもデータが保護されないと Microsoft は説明しています。社外に出すPCは、暗号化の有無にかかわらずデータを消去し、1台ずつ記録を残します。

データ移行と資産台帳:「残っていない」「台帳と合っている」を確かめる

データ移行と、古いPCにデータが残っていないかの確認

  • 移す対象を決める:デスクトップやドキュメントのファイル、ブラウザのお気に入り、メールソフトのデータ、業務アプリの設定など、PC本体に保存されているものを洗い出します。
  • 保存場所を整理する:ファイルサーバーやクラウドに保存場所を移しておくと、次の入替でも移行が楽になります。
  • 利用者に確認してもらう:移行が終わったら、必要なデータがそろっているかを利用者に確認してもらい、確認した日を記録します。
  • 外付けの記憶媒体も確認する:USBメモリや外付けドライブなど、PCと一緒に使っていた記憶媒体も、入替にあわせて扱いを決めます。

資産台帳を更新する

IT資産台帳と固定資産台帳の両方を、シリアル番号で突き合わせて更新します。新しいPCを登録するだけでなく、古いPCの行き先とデータ消去の記録まで残しておくと、監査や問い合わせのときに説明できます。

古いPCについて台帳に残しておきたい項目
項目記録する内容
管理番号社内の管理番号と、貼ってある資産ラベル
機種・シリアル番号メーカー、型番、本体のシリアル番号。記憶装置を交換したPCは、その記録も
利用者・設置場所最後に使っていた人、部署、設置場所
購入・リースの別購入日。リースの場合は契約番号と返却期限
行き先社内で再利用、売却、リース返却、廃棄のどれか。引き渡した日と相手
データ消去の記録消去した日、方法、結果。消去証明書があればその番号

固定資産として計上しているPCの除却や売却の経理処理は、税理士や経理担当に確認してください。

古いPCの行き先は早めに決め、データ消去は1台ずつ記録する

古いPCの行き先(社内で再利用、売却、リース返却、廃棄)は、入替の計画と同時に決めておきます。行き先が決まらないまま保管していると、置き場所をとるうえ、データが入ったままのPCが社内に残り続けます。行き先ごとの注意点は、Windows 10の入替で出た古いPC、どうする?で解説しています。売却する場合は、法人PCの「買取」と「販売代行」の違いも参考にしてください。

どの行き先でも、社外に出すPCはデータを消去し、1台ずつ記録を残します。機器リストとシリアル番号で照合し、どのPCを、いつ、どの方法で消したかを示せるようにしておくと、台帳の更新にもそのまま使えます。証明書で確認したい項目は、データ消去証明書とは?をご覧ください。

REER JAPAN にご相談いただけること

REER JAPAN は、日本ITAD協会の正会員です。入替の作業から、古いPCの買取・データ消去まで、まとめてご相談いただけます。

  • 入替・キッティング:キッティングやデータ移行を含めた入替を承ります。新品だけでなく、整備済みPCでの入替もご提案できます。(法人向けPC修理・保守)
  • 古いPCの買取:1台から査定します。古い機器や故障品も含めて、まとめて査定します。すべての機器に値段がつかない場合はお引き取りせず、パソコンメーカー各社の法人向け回収窓口をご案内します。(法人PC買取)
  • 回収:関東圏はご指定の場所へ訪問回収、関東圏以外は宅配便でお預かりします。宅配便は事前のお見積りが必要です。(法人PCの回収)
  • データ消去:機器リストをご承認いただいてから消去を始め、1台ずつ記録します。買取する機器のデータ消去は無料です。消去証明書の発行は有料です(お見積りでご案内します)。(法人向けPCデータ消去)
  • 販売代行:再販できるPCは、お客様に代わって販売します。(法人向けPC販売代行)
  • 進捗の確認:回収から消去まで、進捗はオンラインでご確認いただけます。

「台数も時期もまだ決まっていない」という段階でもかまいません。機種と台数をお知らせいただければ、入替と古いPCの扱いをあわせてご提案します。お見積りは無料です。無料お見積りからご相談ください。

文:株式会社REER JAPAN

参考

古いPCの回収・データ消去のご相談

台数が決まっていない段階でもかまいません。お見積りは無料です。